そこには沢村が胸を反らして仁王立ちしていた。
 
その姿勢を崩すことなく強く問う。
 
「なにが?…って言ってるんだけど!!」
 
「…別に…なんでも…」
 
その勢いに俺は情けなく縮こまる。
 
「聞こえない…!」
 
即座にそんな言葉が返ってきた。
 
「…だから!なんでもないんだってば!!」
 
「…なんで怒鳴るのよ!!」
 
俺の言葉が相当気に入らなかったらしい…
 
「ま、いいわ。それよりあんた…」
 
沢村は言いながら手をシッシッと退けるジェスチャーをしながら続ける。
 
「邪魔…!!」
 
「へ…?」
 
俺は呆然と辺りを見渡した。そこは教室の出入口だった。