涙花‐tear flower‐【短編】

それから幾日かが経った。

日常のような非日常は、いつの間にか当たり前のことになっていた。

ティアと2人でいる時間を、フィルが日常と呼んでも何ら差し支えはない。

現にフィルも、そう感じていた。




(いつまでも、2人で……)




ちっぽけな願い。

フィルにとっては何より大きく、大切な願い。




けれどそれは、単なる夢でしかなかったのかもしれない……。