すると湊は苦笑いをした。
「じゃぁ、俺を頼れ。」
は?
じゃぁって…
それ全然答えになってないだろ。
「先生だって教師だ。
大人だ。
頼れって…」
「俺はまだ教師としても
大人としても半人前だ。
それだったら、
廣島も頼ってくれるだろ?」
何とも言えない気持ちだった。
私たちを邪険してきた教師に自分を頼れと言っているやつがいる。
しかも話す前から毛嫌いしていた湊が。
わたしは
裏切られるのが嫌で、
信じようとしていなかったのかもしれない。
何もかも拒絶し過ぎていたのかもしれない。
たぶん、この気持ちは。
期待とか、嬉しいとか。
そーゆーもんなんだと思うと。
そうか、この人は
この一週間この部活を、
わたしを心配していてくれたのかもしれない。
すごくわかりにくい
気遣いだったけど(笑)
「…わかりました。
気が向いたらスカした新米教師の湊先生を頼ってみようと思います。」
「お前なぁ…」
