「お前、ひとりで大変だな。」



それはあまりにも意外な言葉だった。



「何がですか。」


「いや、部活さ。
ひとりで大変だなって思って。」



何で今、部活の話すんの?
大変だなんてそんなの。



「そんなの、先生にはわからない。」


わたしがどれくらい大変かだなんて。
辛いか、だなんて。
アンタみたいなスカした
新米教師になんてわかりっこない。



「わかるよ。
俺も、大学時代マネージャーだったから。」



え?



「廣島が、周りから見てるだけじゃわかんねぇとこまでいろんなもんしょってるって。」


「…。」



「ひとりだから大変てだけじゃねぇかもな。
お前がしょいこみ過ぎてるつーのもある。」





だから何だ。
わたしは別に平気だ。
いままでだって平気だった。




「廣島、もっと周りを頼れ。
確かにマネージャーは頼られる存在、任される存在かもしれない。
でも全部を背負うのは仕事じゃねぇ。
それに、お前だけが受け止めるんじゃそれはチームの為にもならねぇよ。」



そんなの…


「そんなのわかってるよ。でも部員の皆は違う重圧を背負ってるんだ。

それに、子供同士で話したってどーにもなんないことだってあるだろ。
…わたしは、どうしても教師が…大人が信用できないんだ。」