「ムーカーツークー。」



「なぁに、伊波いらいらして。」



わたしは教室でもイライラしていた。


理由はもちろん…


「聞いてくれ、香帆。
うちに新しくきた湊っつー教師が…」


「あぁ、湊先生ね。
この前聞いたよー。
いいじゃん、男前なんでしょ。」


「そ、それは見た目だけだ!性格なんてきっと最悪だぞ!」


「しゃべったこともないのに?
わかんないよー、案外いい先生かもしれないし。
それに若いから緊張してんのかもよ?
マネなんだから伊波から声かけてみなよ。」



どうやら親友の香帆の見解はいつもながらわたしに厳しいようだ。


「緊張?してないよ。
だってアイツ欠伸してたし。」



「欠伸は生理現象。
ほら、次体育。
行くよ。」



つれないな、友よ…
欠伸は呼吸運動だ。