パクり女とあたし


 「えぇえ!覚えてないの?」

 覚えてないよ。
 だって、愛奈すぐ帰っちゃったんだもん。

 「うん。覚えてない……」

 あたしの言葉を聞いた愛奈は、残念そうに下を向いて何やらぶつぶつと呟いている。

 「愛奈?何ぶつぶつ言ってんの!?」

 あたしが笑っていると、愛奈は突然立ち上がった。

 「え、愛奈?」

 「トイレ、行ってくる!」

 え??

 いきなり……。
 愛奈こういうの多いなぁ。

 最近ますます不思議な子になっていってる気がするな。

 「いってらっしゃい」

 愛奈は走りながら教室をでていった。

 お腹でもこわしたのかな?


 ……あ、そうだ!
 久々に麻友に手紙書いてあげよっ!