パクり女とあたし

 


 愛奈が取り出したのはあたしと同じポーチ。

 「これもあってさ、亜希と同じだ、って思って買ったんだ!本当かわいーッ!」

 愛奈は嬉しそうにはしゃいでいる。

 え………

 あたしと同じだから買ったって……

 ポーチまで買わなくてもよくない?

 どうしてそこまで……

 あたしはあんまり他人と同じになるのは好きじゃない。



 「亜希……?」


 黙りこむあたしに気付いた愛奈は悲しそうな顔をした。