「へんなのにひっかからなくてよかったじゃん」
美玖は複雑な心境の私をひっぱって部屋にむかった。


胸の当たりが少しきつくなって痛い。

名前すら知らなかった人なのに、へんなの。

そんな日のカラオケは

無意識に失恋ソングばかり選曲してしまう。


美玖がたまらず噴出した。


「ゆり！分かり易すぎ！」

歌詞に共感しながら

悲劇のヒロインを気取っている自分も

なかなかいい。

始まってもいない恋に、
いきなり終止符を打たれた場合は、

案外こんなものなのかもしれない。

純奈もこんな想いしたことあるのかな。

かわいくてかっこいい純奈でも、


そうであってほしいな。