しかし、もはやどうすることも出来ない今、ドアを抜けて他の人に会うのが得策かもしれない。少なくともドアの向こうにいる声の主には会えるはずだ。
私はとりあえず声の主に今までのことを問い詰めようとドアを開けた。

そこに広がるのは見たこともない景色。大きな屋敷に見えたのだが、部屋ひとつだけですぐに屋外に出てしまったのだった。
さらにそこには声の主は見当たらなかった。助言だけしてどこかへ行ってしまったのだろうか。仕方なく私は屋敷を後にして、まっすぐに続く道を歩いて行った。

お礼もなしか…と、その屋敷のドアから声が聞こえたことも気付かずに…。