「もとのせか……ぁっちゃぁ!!!」

いきなり大声を出すヒロ。

突然のことでビクッとする私。

見ると、ハヤトがティーポットを片手に、ヒロに向かって紅茶をダバダバとかけている。

「レディ相手にこんなところで襲いかかるなんて…もっと紳士的に行こうよ。」

そう言いながら紳士的に(?)お茶をかけ続けるハヤト。
もがきながら悲鳴をあげ、ヒロはもと来た道を逃げて行った。

「ケガはないかな?」

そう言ってウインクしてくるハヤト。
私は恐怖と安堵で、へなへなとその場にへたりこんでしまった。

「あいつ、前にお姉ちゃんのことも襲ってきたんだよ。もう最っ低!セクハラっ!」

ハヤトの後ろから、みづきもちょこちょことくっついてきた。

「二人とも…なんでここに…?」

「そりゃ、アリスがピンチなら助けにくるよ~。一緒にパーティーした仲じゃん。」

果たして一緒にパーティーしたと言えるのだろうか。まぁ、助けに来てくれたのなら、そんなささいな疑問はどうでもいい。

「じゃあ、一緒に…。」

「あっちだ!!」

私の言葉をかき消すように、男の声が響く。
どうやら兵士たちがこちらにやってくるようだ。