しかし、タルトの窃盗…。

本来疑われるべきは私だったのでは。

「そんなところで立っていないで、こちらへどうぞ。」

「ひっ!」

背後から突然声をかけられ驚き振り向くと、そこには一人の衛兵。

しかし、敵意は感じられない。傍聴席にでも案内してくれるのだろう。
私は衛兵に促され裁判が終わった裁判所へと足を踏み入れた。

そして、案内された場所。それが、被告席だった。