「なっなんで?!」

そう言った後にハッと気が付いた。そう、クッキーが原因だ。
しかし、原因がわかったところでもう遅い。私のカラダは家に収まりきらないほどに大きくなってしまったのだ。

窓から手足が飛び出たあたりでその伸びは止まった。止まったが、身動きが取れない。
うみの家を背負うように持ち運んでも良いのだが、この体勢じゃ力が入らない。何より、そんな姿情けなくて格好悪い。

背が縮むなにかを口にしないと元に戻れないとしたら、もしかしてずっとこのまま!?そう思うと鳥肌が立った。
しかし、近くに身体を縮める何かがあったとしても、視界が限られてるために見つけられそうもない。
私はどうすることも出来ず、窓の外を眺めながらうなだれた。

すると、窓の外に鼻歌を歌いながらはしごをかついで歩く一人の男の姿が見えた。
ここに来てからというもの、まともな人とは一人も出会えていないので不安要素のほうが勝る状況ではあるが、こんな状態では他に頼るものもなく、その男に助けを求めることにした。