窓から漏れた日差しが私の眠りを遮る。
時計に目をやると…７時24分。そろそろ起きなければいけない時間ではあるものの、目覚ましよりも先に目が覚めるとなんか損した気分になる。
起きたくないなぁ、と、別にそこまで眠いわけではないけれどベッドの上でただゴロゴロしていた。
すると、間もなく目覚ましが鳴った。

制服に着替えトロトロと階段を降りる。
母親が朝食を用意してくれている。
姉はもう朝食を済ませ、家を出る準備に取り掛かっていたが、私は特に急ごうともせず朝食を食べた。

急がなくても遅刻せずに学校に着けるだろうギリギリの時間まで家でボーっとしていたが、やがてその時間がやってきたので、仕方なく私は家を出ることにした。

「行ってきまーす。」

朝日に照らされながら学校への道のりを辿る。友達と一緒に学校へ行く、ということもないので、自分のペースで歩ける。やはり朝はゆとりが大切、そんなこと考えていると、後ろから声を掛けられた。

「有栖川さん。」

見ると、同じクラスの女の子がいた。確か…加藤ちさ。
あんまり話したことない子だった。