―――今井レン

口笛をふくのが好きな
カイヤの親友。
少し髪の毛が長く
後ろからみたら女の子のようだ。





最近のあたしはおかしい。


前まではカイヤがよくする
髪の毛をいじる癖をみるだけで
幸せだったのに


いまはなにも感じない。


それなのに

レンをみるだけで

胸が苦しくなる。




「るい。どうした?」

レンの言葉で我にかえった。

「えっ」

「顔が赤いぞ?風邪でもひいたのか?」

「べ、別に大丈夫だよ!」

危ない危ない。

ってか

レンをみたから顔が赤くなったなんて

言えるかっつーの!!

「調子悪かったら言えよ。俺が保健室つれてってやるよ!!」

「うん。ありがとう」

レンはやっぱり優しいな。






「レン。ありがとう。でも俺彼氏だし俺がついてくからいいよ。」


いままで黙ってあたしとレンの会話を聞いていたカイヤが
いきなり口をあけた。

「そっか。じゃあ、るいあんまり無理すんなよ。」

「う、うん。」


レンとカイヤは自分の席に戻っていった。


「カイヤちょっとレンに焼きもちやいてるんじゃない?」

後ろで聞いていたエリがあたしに言った。

「え、なんでよ」

「だって、カイヤがあんなこと言うのってはじめてじゃん。」

「あ、あぁ言われてみれば」

「よかったね!!焼きもちやいてもらえるなんて!!」




カイヤが大好きだった付き合いたてのころは
あんなこと言われて嬉しかったと思う。


でも


やっぱりなにも感じなかった、


むしろ
レンが保健室いってくれるって言ったときは
心臓が口から飛び出しそうにドキドキした。




なんなんだろう。

この気持ち……