彼の前を歩いていた男が急に止まり、横を向いて歩いていた彼は、見事にぶつかった。


本当に鈍感だ。


それに比べて黒い男は、ぴくりともせず、全く気にする様子は無い。

まるでロボット。


「す、すいません!!

……ん?」


ぶつかった衝撃で尻餅を着いた彼は、男を見上げたと同時に隣の扉に気付いた。


「31」と印されている。


「あっ、僕はこの部屋みたいだ!

それじゃあまたね。

君、そういえば名前は?」