上がってきた階には、また沢山の扉があるんだが、今回は廊下が弧を描くように円く曲がっていて、どうやら歩けば一周出来そうだ。 一番最初に目に入った扉には、「1」と大きく書かれている。 これが、あの部屋番号のことか。 「でもね、僕ちょっと楽しみなんだ」 急にまた話し掛けてきた彼の言葉を、僕は理解出来なかった。 「なにが?」