もう、やる気さえも無くなってきた。


特に頭を使うわけでもなく、部屋のそこら中を適当に紙やすりで削っている。


紙やすりも擦り減って、削りにくさが増してきた。


疲れ果てた手つきで壁を削っていると、少しいつもと違う感覚が指先に伝わってくる。


紙やすりをどけてみると、壁の色が剥げて偶然とは思えない錆の形が現れていた。


しばらく削っていると、「石」という文字が浮かび上がった。

試しに7センチくらい上を見れば、ムカつく程にくねくねとした筆記体で書かれたSEXの文字。