「海。」 あたしから顔を背ける海。 なんで、目も合わさないの? 「…海。」 「南美。」 「え?」 やっと合った海の目は どこか悲しそうな目をしていて 少し黙り込んだ後、また反らされてしまった。 …海? 「何で…ケンカなんてしたの?」 「………。」 「海、何かおかしいよ。」 「…別におかしくない。」 「だったらなん…」 「南美には関係ない。」 え… もうこっちを、向いてもくれない海の口から 言われた言葉。 あたしはその言葉に何も言えないまま 海が保健室から出て行く音を聞いた。