「…座って。」 連れて来たのは保健室。 とりあえず 傷の手当てをしたかったから。 「……。」 何も言わずに座る海を横目に、 あたしは消毒液とバンソウコウを用意して 海の正面に座った。 「…顔上げて。」 俯く海に声をかけて 消毒液を染み込ませた脱脂綿を、口の端に当てた。 「いっ…」 顔を歪ませた海に、あたしは強く当たる。 「これ位いい薬でしょっ。」 頭冷やしてよね。 脱脂綿を離して バンソウコウを縦に張る。