大分走った後にようやく足を止めた海。
「ちょっ…海!!」
軽く肩で息をしながら
あたしは声を荒げる。
「なに。」
「なにじゃないっ!何でこんな事すんの!」
こんな事しても
何の解決にもならない事くらい
わかるでしょ?!
「…何だよ。怒んなよ。」
「別に、怒ってるわけじゃ…」
「なんか、嫌なんだよ。」
「…え?」
「南美が手え出す所なんて、見たくねえんだよ。」
………え?
、何それ……?
「…じゃあ、黙って殴られろと?」
「殴らせない。」
「…はい?」
「俺が、お前を殴らせたりしねえ。」
「…………。」
……海?

