「じゃ、なんで元気がないのか言ってごらん?」 俺は、ゆっくりと、那智の唇に自分の唇を近づける。 何も塗っていないのに、透明な桜色をした、那智の唇。 ……食べたい。 俺は、触れる寸前のところで、唇を止めた。 「さぁ……」 ぎゅっ、と目をしっかり閉じる那智。