「ん〜」 伊豆旅行の時、あまりのナチの可愛さに自分を見失い、ナチを押し倒したことがあった。 それも……複数回。それで僕等は結ばれたんだけど……。 そんなことは、僕の名誉にも、ナチの名誉にも関わることだし、口の軽い秀也には言えない。 口が裂けても。 「一回、ばーっと押し倒したらどうだ?」 『ぶほっ』 僕はホットコーヒーを吹き出した。 「紫恩、汚ねぇ……」 「お客様、大丈夫ですか!?」 慌ててやってくる店員。 「やっぱり、お前に那智ちゃんは勿体ねぇなぁ……」