俺は、欲望のままに、 那智の体に指を這わせた。 白くて、滑らかで、柔らかな、那智の肌。 少し高くて、色っぽい、那智の声。 大きくて、濁りのない、少し潤んだ、那智の瞳。 全てが心に突き刺さる。 切ない。 俺は、涙が出そうになるのを堪えた。 好きって気持ちは、飽和状態になれば、涙となって溢れるものなんだな。 「シオ、……お…お願い」 那智の声に、俺は従った。 規則的に揺れる声。