「シオ、こないだの旅行でやったでしょ?『消毒』。今度は私が、シオにする番だよ」 那智は涙でぐしゃぐしゃの顔を笑顔に変えて、そっと笑った。 「………もう無理」 俺は、 那智をベッドに押し倒した。 「!…った」 那智は勢い余ってベッドのさんで頭をぶつけたみたいだった。が、 もう俺に、気遣う余裕、なんてない。 「……優しくできない」