「キス…」

那智が小さく呟く。


「うん。那智以外の人として、ごめん」


「あの人とは、今日、初めて、会ったんだよね?」


単語を一つ一つ区切り、俺の目を見ながら、確かめる那智。


俺は誠意を込めて、那智の目を見つめた。


「そうだよ。俺は那智の、那智だけの彼氏。」


那智は確かめるように、俺の目をしばらくの間見つめていた。


やがて、俺の首に両手を回し、


ぎゅぅっ、と、しがみついた。