俺は、涙が止まらず顔を上げられない那智を抱き上げて、寝室へと向かった。


「愛してる」

移動する間、俺はずっと那智に囁き続けた。


子供を寝かしつける、子守歌のようにずっと。


那智の涙は止まらなかったけれど。


それでも、俺の気持ちは那智に届いたと感じた。