「抱いて」 那智が小さく言った。 「私に、シオを刻みつけて。 たとえ別れる時が来ても、 忘れられないように……」 涙混じりの声に、俺は即答した。 「那智が別れたいって言わない限り、俺は那智を離さないよ」