「ねぇ、ナチ?」 「シオはさ……」 ナチは僕をシオ、と呼ぶ。 僕をシオと呼ぶ、世界で唯一の人、それがナチ。 ナチが僕をシオ、と呼ぶ度に、ナチは僕の特別なんだ、って気持ちになれる。 「僕は、何?」 「よく、そういうこと、恥ずかしくないよね」 「えっ……?」 ナチはぷいっとそっぽを向いてまた、付け合わせの福神漬けを盛り付け始めた。 だって、誰も見てないじゃん。 今まで、そんなこと言わなかったのに……