「信じてくれよ。あれは事故だ」 「見てたわよ」 見てた? 「最初から、最後まで。シオから仕掛けたキスじゃないことくらい、わかる。あなたが言ってることも、本当だと思ってる」 「じゃぁ…」 「私が怒ってるのは、そこじゃない!!!」 那智は、この日はじめて、俺の目を直視した。 「キスしたことに、怒ってるのよ!!!」