2時間は経っただろうか。 そう思って腕時計を見ると、まだ40分ほどしか経ってはいなかった。 暑い。 夜とはいえ、夏の残暑が厳しい。 蚊をはじめとする夏の虫たちがまとわりつくような気がする。 耳元で、蚊の羽音を聞いた。 無意識に首を振った瞬間、 俺は、最愛の彼女の顔を見た。