「何よ」 飛鳥の目に、涙が浮かぶ。 「あたしだって、本当のあたしを見てくれる人を見つけて、幸せにしてほしいだけなのに……」 「君を幸せにするのは僕じゃない。幸せにしてもらうんじゃない、幸せは自分で掴むものだよ」 俺は走った。 もう見えなくなった、那智の後ろ姿を探しながら。