ナチは、女友達と一緒だった。


友達の方は、遠くてよく見えないけれど、ベロンベロンに酔っ払っているようで、ナチの肩を借りている。

俯いていたその子が、沈黙を破った。

「那智〜、男なんて、甲斐性のない生き物だぁ〜」


僕は、余計に複雑な気持ちになった。



ナチは。


今の決定的瞬間を、
見ていたに違いない。