10年彼女

「振られちゃったぁ…」

「そうか…」

俺と奈流は親同士が仲がよく、家も隣だったため、兄弟のように育てられた。

物心ついたころには、もう一緒にいたんだ。

でも、失恋なんて俺も奈流もしたことが無い。

俺は恋愛なんて興味ないし。

奈流が振られるなんて初めてだった。

彼氏と別れるときも振る方だしな。

だから、傍にいる俺もどうしたらいいか分からない。

「大丈夫。今まで通り、友達やってくれるって。」

「奈流は大丈夫なのか?」

心配そうに顔を覗き込む俺。

「うーん…頑張るよ♪忘れられるように!」

奈流は笑ったが、無理して笑っているように見えた。