まるごと愛してる。

「ちょっと駅員さんにいきてくる!」

私は走りだした。

「すいません…携帯…白の、ありませんでした…?」

運動不足気味の私は少しの距離で息切れ。

「ありましたよー。
若い男の人が、拾ってくれてました。」

若い男の人…

朝会った人が頭に浮かぶ。

でも、あの人とは限らないし。

「ありがとうございました。」

携帯を受け取って、巧の元へ急いだ。