まるごと愛してる。

「愛、行くぞ。」

巧の声で我に返った私は、巧の隣へ駆け寄る。

「う、うんッ」

学校を出て、駅へと向かう。

「ねぇ、巧は壱哉先輩と仲悪かったの?」

さっき思った疑問。

お互いに、敵視しているように見えた。

「そんなこと無かったけど…
ちょっとな……」

ふぅん?

なんかワケアリなんだ?

でも巧が話さないなら私も聞かない。

私もこのことは、すぐに忘れちゃったんだ…