ワシも斎藤も竹も帰りたいのに帰りたいって言い出せない状況にいた

理由は得意先との打ち合せ中だったから

言ってもワシら3人お供
ウチの常務の夏目と
先方の小林とかいうチビが打ち合せしてて
ワシら三人は距離置いて狭い間口に並び
成り行き無意味に見守ってるだけ

最年少の竹
露骨に相手に聞えてもイイ勢いで
“もう帰ろう”ってワシに言ってきやがる

最年長者の斎藤は
ワシに“そろそろ帰ってイイですかって言え”と小声で耳打ち

シャレかガチか解らん
なんてったって
ワシ二度ほど得意先からの苦情に
“テメェ殺すぞ”って空気の読めない発言をした実績があるから
本意気で熱い期待を持たれるかもしれない