彼女は木戸弥生。クラスメートの中でも特別、仲の良い間柄だ。すごく可愛くてスタイルもいいし、なにより人を惹きつける魅力がある。
そんな彼女の欠点(かどうかも分からないが)は、イケメン好きだった。
いつも、あの人かっこいい!!だとか、あの人超かわいいじゃん!!だとか言って騒いでいる。
これには、紗由美と珠希はうんざりとしていた。
せっかく可愛い友達が出来たのに…そう思う。
そしてもうひとつ、紗由美には耐えがたい苦難があった。
「あのね―「私、絶対に行かないよ」
弥生の言葉を遮って、紗由美は否定を述べた。すぐさま弥生は、紗由美の肩を掴んで大きく上下に揺する。
「何で!?行こうよ合コン!!」
弥生が、涙目になりながらそう叫んだ。

