「さゆ―!!」
さすっていると、後ろから強い衝撃がかかった。衝撃の強さからして、誰かが体当たりをしてきたのだろう。
そこまで強くはなかったのだが、突然だったので紗由美は踏ん張り切れずに前へと倒れる。
額が、机と勢いゆくぶつかった。
「った―………」
「きゃ―!!さゆごめん!!」
ぶつかってきた張本人は慌てて、紗由美から離れる。どうやら抱きついてきたらしかった。
紗由美は体を起こして、今度は額を手で押さえる。
先程抓られた左頬の痛みが吹き飛ぶほどの威力だった。
「んで、どうしたの?」
紗由美の代わりに、珠希が女の子に訊いた。

