でも、その幸せも潰されてしまったの。
「私ね…、輪姦されたの」
紗由美は、俯いて言った。
近くにあったファミレス。
そこの雰囲気とは正反対の、紗由美の口から出た衝撃の事実。
昂と拓巳は、驚くしかなかった。
(輪姦…された……?)
昂には、理解しがたかった。もちろん、意味は分かっている。ただ、それを経験した人が目の前にいてそれを受け入れろなんて急に言われて。
しかもそれが、自分の好きな人で。
事実だとは分かっていても、受け入れたくないものだ。
「それをしたのは高校生5、6人でね。……芯のお兄ちゃんだったんだ……」

