時を遡ること約2年。 当時、紗由美と珠希は中学2年生。紗由美は普通に男子と遊んだり話したりしていて。それなりに男子と仲も良くて。 彼氏もいて、誰から見ても仲睦まじく、みんなに羨ましがられていて。 「―――その人、佐世古芯っていうんだ」 本当に幸せだった。芯と心が通じ合っていて、嬉しかった。隣にいれるだけで、本当に嬉しかった。 だって、初恋だったから。 涙目で報告した紗由美に、『よかったね』って、珠希は言ってくれた。 本当に、幸せだった。