Vanilla Essence




「好き…か、」


紗由美がそう、独り言を言う。その言葉に反応した珠希が、「何を?」と首を傾げて紗由美に訊いた。



「何でもないよ!!」


慌てて、紗由美は言う。
珠希も、深く訊きだすことは、しなかった。紗由美が嫌がるのが、分かっていたから。