「ほら、男子校じゃん?」
「え?あ、うん」
「だからか知んないけど、甘いもの好きな奴が少ないんだよ。んで、めっちゃ馬鹿にされたんだよ」
そう話してくれた昂の表情は、言い表せないぐらい、怖かった。恐らく、その時のことが頭の中に浮かんでしまったのだろう。
「そいつらシメてからは何も言わなくなったんだけどな」
昂はズボンのポケットに手を突っ込んで、何気なく言ってるのだろうけど、その表情と言葉がなんだか怖くて、紗由美はビクッと頬を引き攣らせた。
せっかくかっこいいのに、女の子の前でシメるとか言ったら引かれるだろう―――そう、ひっそりと思ってしまった。
「だからさ…」

