同時刻――――
ここは、昂の部屋。こちらも、電話をしていた。ベッドの上に座って胡座をかき、偉そうにしてるのはもちろん昂である。
「あいつ、絶対に明日シメる…!!」
…といっても、電話の内容は決して穏便には済まされないものであった。
理由は簡単。今日、無理やり連れて行かれたうえに、合コンだなんて聞いていなかったのだ。
もっとも、嘘を見抜けずに着いていってしまった昂にも非はあるだろうが。今の昂には、そんなこと関係ないのだろう。
電話の相手――梶拓巳は、そんな昂に威圧されながらも、窘めようと努力していた。

