珠希の言った言葉で、一気に記憶が蘇った。あの、忌々しい………記憶。 ドキン、ドキンと、鼓動が速くなっていく。息が詰まる。 気分の悪さに、紗由美は目を閉じて、気持ちを落ち着かせることに専念した。 「…ならないなんて、言い切れないよ。私は…」 信用、しない。 はっきりと、強く。 紗由美は、そう言った。珠希は一瞬、言葉に詰まったが軽い溜め息を吐く。 『…そうだね、ごめん…』 私、そろそろ寝るね。 と、少しだけ声のトーンを上げて言った。 紗由美も、「おやすみ」とだけ返して、電話を切った。