軽い自己紹介が終わって、弥生と大貴君は話し込んでいる。弥生が可愛く見えるのは、果たして気のせいなのだろうか。

一方の紗由美たちはというと、沈黙を貫き通していた。なかなか、話すきっかけがないからだ。


(何か話した方がいいのかな!?いや、でも変に話しかけても…)



そんなことばかり、紗由美の思考をぐるぐると廻る。

その時、ふと甘い香りが鼻を掠めた。