俺と葉月の四十九日

安田の言葉にタクミは、もじもじと指先を弄んでいる。

…何か、ブル田を思い出す俺。


「探してるの…」

タクミは、意を決した様に語り出した。

「探してる?」

何を?自分ち?


「何を探してるの?」
「埋めたの」
「何を埋めたの?」
「友達の健太くんと充くんと薫ちゃんと、みんなで埋めたの」
「宝物かな?」

タクミは、うなづいた。


宝物…。


「探したら一割もらえんの?」

安田に睨まれた…。

「宝物を探してるんだ?どこに埋めたの?」
「桜の木の下」
桜の木の下っつったら…。

「死体でも埋めたか?」
「圭ちゃん、ちょっと黙れ」

だって、会話に交ざれなくておもしろくねぇんだもん。
それに桜の木の下ったら、死体しかねぇじゃん?
坂口安吾の本に書いてあんじゃん。

でも、桜って…。

「ここ、銀杏並木だから桜はねぇぞ?」
「あ…だよね?」

安田が相づちを打った。


「タクミくん、ここに桜は無いよ?」

タクミは、大きな目を見開いた。

「無いの?」


今更気付いたのだろう。安田を見上げる視線は、嘘だろ?!と伝えている。

やがてその瞳に、みるみる涙が溢れ出た。


「僕…わかんなくなっちゃったぁ!」