俺と葉月の四十九日

違う。

安田に怒ってる場合じゃねぇ。


「安田、お前泣いてる理由聞いてみろ」
「何よ、さんざん馬鹿呼ばわりしといて私頼るの?」
「別に頼ってる訳じゃねぇ」


止めろ俺、話進まないから。


「はいはい悪かったです。聞いて下さい、お願いします」
「感じ悪〜い!機械処理的口調〜」


唇をとがらせ不平をブツブツもらしながら、安田は、ベンチに座る男の子の前へと姿勢を落とし座った。

男の子は泣き止んではいたが、目にはまだ涙が溜まっている。


安田、泣かすなよ?


「おねぇちゃんの名前は葉月って言うの。僕の名前も教えて?」

安田、猫撫で声だ。


男の子は、安田の顔を見つめている。
やがて、小さな声でつぶやいた。


「拓海…上野拓海」
「タクミくんって言うんだぁ?カッコイイ名前」


男の子…タクミは少し気分を良くしたのだろうか。
微かに口元をゆがめて笑った。

良かった、泣かれなくて!

俺は胸を撫で下ろした。
安田がユーレイだって気付いてねぇし。


このままバレずに済みます様に!


安田はタクミの隣に腰を降ろした。
俺も、タクミを間に手前隣に座る。


「タクミくんは、ここで何してるの?」