俺と葉月の四十九日

歩道の途中に約200メートル程設置されてる銀杏並木は、秋になると黄金色のトンネルになる。

赤レンガで舗装された地面に黄色に染まった銀杏の葉が降り積もると、秋だなぁと実感する。


所々に置かれたベンチには夜、カップルが座っていたりする。

昼間は散歩途中の老人ばっかだけど。


「いいなぁ!空気が違う」


そうか?
隣は国道で、バンバン車が走ってるけど。


いっか。

こういう表現も、安田らしいって言やそうだ。
それに安田が言うと、ホントに違う気がしてくるから不思議だ。


催眠?暗示?言葉のマジック?

後になって、やっぱ違う!と気付いても、何か笑っちゃうんだよな。


変な女。


…秋になったら安田はいないんだ。

この並木、黄色に染まる頃までは居ないんだな。


何か今日の俺、センチメンタル?


「あれ?」

俺の前を歩いてた安田が立ち止まった。
どうした?

「何?」
「見て、圭ちゃん」

安田が指差す方向に視線を向けると、誰かがベンチにうつむいて座っていた。

うつむいて、両手で顔を交互にこすっている。


…子供…小学生くらいの男の子じゃねぇ?


「あの子、泣いてない?」