俺と葉月の四十九日

そう考えると、安田は毎日を精一杯に楽しんでいたんだろうと思う。

だからユーレイになっても笑って楽しいって言えるんじゃねぇかと思う。


…簡単な様でかなり難しい。


毎日を楽しむって、生きるって…俺にはまだわかんねぇ。

自分が何の為に生きてるのかもわかんねぇのに。


ただ、死なないから生きてる。
呼吸してるから生きてる…そんな感じ。


なのに、毎日を楽しんで生きてた安田が先に死んじまうなんて、何か不公平な気がしないでもない。


目の前で笑いながら歩いてる安田、歌ってる安田。わがままで、強引マイペースの安田。


でも生きてない、死んでるユーレイだ。


何だ…何か悲しい。


何で安田は死んじまったんだ。

何で安田が死んだんだ。


世の中、悪い奴なんかたくさんいるのに、フツウに楽しく生きてた安田が何で死ななきゃいけなかったんだろう…。


でも安田が笑うから、フツウに楽しいと笑うから。
何となく俺も笑ってた。

ホントは笑うトコじゃねぇのに。


「圭ちゃん、ほら!銀杏並木!」

前方に見えてきた並木に安田ははしゃぐ。

いいか…。

こいつが笑う内は、俺も笑っていよう。