ホント、変な解釈する奴だ。
ブル田は。
ある意味羨ましい…。


「二人共じゃれあってると花火見逃すよ?」

他人事顔か!

お前が内緒とか言うから、ブル田がムキになってんだぞ?


…言っても無駄か。

ため息をつき、夜空を見上げた。

ちょうどシダレ桜の様な花火が空に咲いていた。


「ホント、綺麗」
「安田サンの方が綺麗ですよ〜」

なっ…ブル田!


「痛っ!」

気付いたら反射的に、ブル田の頭を叩いていた。


「何をする!」
「…別に」

後頭部を押さえ抗議するブル田を、俺は顔をそむけてかわす。
無邪気にサラリとそういう事を言えるブル田が妙にムカついた。

言うなって!
しかもサラリと!
ムカつく!


「またじゃれてるし」

笑う安田。
楽しそうに、いつもの様に…。


それ以上望むのは贅沢か?
安田が笑う…それ以上を望むのは、贅沢なのか?


それだけでいいと思っていたはずなのに、安田と居ると…望みが増えちまう…。


ホントに…お前を生き返らせる方法があるなら…何を置いてもやる。

寿命を減らされてもやるのに…。


俺は、お前の灯籠なんか見たくねぇ…。



切ねぇよ…安田…。